インターネット
1.基本事項
テーマ	インターネットの基礎理論
キーワード	インターネット
TCP/IP
イーサーネット


2.授業要旨または授業概要
 
 この授業ではインターネットの原理、あるいは手段などを教える。インターネットの使い方、利用方法を教える
授業ではない。
世界中にはりめぐらされたネットワークのネットワークであるインターネット。いまや、インターネットなくして
社会は機能しないほど、浸透している。とりわけ、ホームページという表現をされてしまうほど知られるように
なったWWW(World Wide Web)や、メイル、ニュースなどが目を引く使い方になっている。よく、「インターネッ
トしている」ということを耳にするが、これは間違いである。正しくは、「インターネットを利用して、ネット
サーフィンしているとか、メイルを利用している」とかが正しい。こういった間違いが蔓延している。できるな
ら、インターネットというものを正しく理解していただきたい。
ここではインターネットの使い方を教えることが目的ではない。
その仕組みを教えるのが本講義の目的である。つまりインターネットはどのような仕組みで動いているのかを教え
る授業である。世界中にある数限りないコンピュータを結び、その中の特定のコンピュータを選び、接続する。そ
れには、LANやWANなどのネットワーキングで広く使われているプロトコルであるTCP/IPの知識がないと理解で
きない。インターネットのように巨大なネットワークにおいては一つあるいは少数のサーバーが全体を管理すると
いうことは不可能であり、管理を分散させる方法を採用している。また、電子メイルや電子ニュースの配信におい
ても、遠回りをしない、二重に受け取らない、といった工夫が必要である。このようなメイルのルーティングなど
いろいろなプロトコルが必要であり、それらについて解説する。
添付ファイルなし


3.授業スケジュール
○ネットワークの歴史
コンピュータ通信は、最初のうちは小規模なため、統一的なプロトコルは必ずしも必要なかった。そのような時
代から、現代の全世界的な規模のネットワーク(インターネット)に至るまでの過程を説明する。
○UUCPとTCP/IP
UNIXと共に、ネットワークは発達してきた。UNIXが作られた当時はまだ未発達な状態であったから、通信には
主にUUCPが使われていた。それが徐々にTCP/IPに移ってきた。
○IPパケット
イーサーネットを主体にして通信するためにパケット転送が行われる。パケット型の転送に乗せるためのIPパ
ケットの構成について学ぶ。
○TCPとUDP
IP層の上位にあたるTCP層とUDP層を学ぶ
○ISOのOSI
ネットワークの標準的なプロトコル階層としてISOのOSIの7層がある。これと、TCP/IPとの関連について学ぶ
○TCPパケットとUDPパケットとRFC
RFCというのはRequest For Commentのことでネットワークでの規定はおもにこのRFCから成り立っている。そ
こに記載されているTCPやUDPパケットの構成について学ぶ。
○パケット ルーティング
パケットのルーティングに必要なリピータ、ブリッジ、ルータなどのハードウェア、および、ルーティングを制
御するソフトウェアについて学ぶ。
○メイルとニュースのルーティング
ファイル転送(FTP)やメイルとニュースは古くから利用されてきたネットワークの利用法である。メイルはメイル
アドレスを書くだけで、なぜ届くのか、ニュースはアドレスも指定しないのになぜ届くのかについて学ぶ。ネー
ムをリゾルブする方法がなくてはならない。その原理とドメイン・ネーム・サーバー(DNS)について学ぶ。
○ファイアーウォール
ハッカーなどの侵入を防ぐ手段としてのファイアーウォールやNAT、マスカレードなどについて学ぶ。


4.成績評価の方法
期末に試験を行なう。それと、授業中に行う予定の小テストをかんがみて評価する。出席も考慮する。
原則として毎回の出席が必要である。


5.教科書・参考文献等
区分	書 名	著者名	発行元	定価
参考書	 インターネット	 村井純	 岩波新書	 
参考書	 インターネットの起源	 加地永都子	 ASCII	 
参考書	 インターネット入門	 尾家祐二	 岩波書店	 
参考書	 ハッピー・ネットワーキング	 山本和彦	 ASCII	 


6.その他の材料